タイトルヨミ
シゲキセイ ルイジ ノ カンスウ ト シテ ノ コウタイ キンシ ニ ツイテ
著者
柴原 貞夫
抄録
 本実験は、OLとILの対連合系列の反応事項が意味的類似性を有する場合、これに対応する刺激項が同一の場合(A群)と、異なっている場合(B群)とではどちらの方がより多くの後退禁止を示すか、または、その差はいかなる理由によるかを調べることを目的とした。このために各郡10名宛の被験者に連想価の低い無意味音節を刺激後とし、形容詞を反応語とした対連合、6対よりなる学習系列を一回完成の基準に達するまで、予想法で学習させた(OL)後に、A群にはOLと刺激語は同一であるが反応語が類似する系列を、B群には刺激語は異るが反応語はA群と同一のものを一回完成の基準に達するまで学習させた(IL)。その直後の想起において、両群ともOLの刺激呈示の3秒間にOL反応を予想させ、それができない時は次の3秒間に最初に心に浮かぶ語を反応させた。その結果は次の通りである。
 1.OLとILの試行数においても、これらの学習中の正予想数においても、両群間に有意差はなく、また、transferも有意ではなかった。(しかし、OLからILへの侵入反応は7:1と少数ながらA群の方が多かった。)
 2.両群のOLとILのほぼ等しい結果から予想されるように、想起時と自由想起時に出現したOL反応とIL反応の総計は両群とも、ほとんど同じであった。
 3.OLの想起時におけるOL反応(正予想数)は度数は少なかったが、A群の方がBよりも多く、したがって、後退禁止量は少なかった。また、反応斗争の指標とみなされるIL反応の侵入数はA群の方が多かった。
 4.この両群間の差をさらに深く分析するために自由想起時の出現反応を調べると、B群はA群に比べてはるかに多くのOL反応とIL反応とを生じた。
 これらの結果の差を生じた理由として、本実験の条件差の効果が考察された。すなわち、B群の場合はOLとILの刺激項が異なるために、一方において刺激項間に斗争ないし干渉が生じるために想起時にOl反応の遅延を招来し、他方において、OLとILとの分化が生じやすいために、想起時にIL反応がA群の場合よりもsetの制止を多くうけたものと解釈された。
 要するに、本実験結果は、OLとILの刺激項が同一で反応項が異なる場合(paradigm B)は挿入学習時と想起時における反応斗争が、その後退禁止の主要因をなすのに対し、刺激項と反応項とがともに異なる場合(paradigm C)は、単に反応斗争のみならず同時に刺激斗争をも含むところの対連合斗争 competition of parired-associates がその後退禁止の主要因であるという至極、当然の結果を示し、また、両学。習の反応項が意味的類似性を持つ場合の後退禁止は後者の方がより多いことを示した。
出版者
鳥取大学教育学部
資料タイプ
紀要論文
ISSN・ISBN
02878011
書誌ID
AN00174563
掲載誌名
鳥取大学教育学部研究報告. 教育科学
最新掲載誌名
鳥取大学教育学部研究報告. 教育科学
6
開始ページ
74
終了ページ
84
発行日
1964-12
著者版フラグ
その他
掲載情報
鳥取大学教育学部研究報告. 教育科学. 1964, 6, 74-84.
部局名
地域学部・地域学研究科
言語
日本語