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Title Transcription
カタルシス ノ カンテン カラ ミタ セン ト チヒロ ノ カミ カクシ ニツイテ ノ イチ コウサツ
Authors
Keywords
カタルシス
解離
千と千尋の神隠し
Abstract
カタルシスは,セラピーとして心のしこりが話されることによってもたらされるだけでなく,悲劇などの観劇に際しても起こる心の浄化・排泄作用でもあるので,カタルシスがテーマとなっている物語として「千と千尋の神隠し」を取り上げ,主人公を事例としてとらえ,分析した。そして,物語全体をトラウマによる解離状態の中での夢(幻想)の体験としてとらえると,そこで無意識への退行が起こり,その中でのトラウマの記憶の想起がカタルシスをもたらし,解離からの回復にもつながったとみることができた。このプロセスは,フロイトの夢の理論や対象関係論の諸概念,またユング心理学の補償や個性化過程の考え方を適用することで心理的な現実についてのいっそう整合性のある解釈に結びつき,セラピーにおけるカタルシスやそのプロセスについての臨床的な意味を理解することにも貢献すると思われた。
Publisher
鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学専攻
Content Type
Departmental Bulletin Paper
ISSN
18834531
Journal Title
鳥取臨床心理研究
Current Journal Title
Tottori Clinical Psychology Research and Practice
Volume
14
Start Page
121
End Page
129
Published Date
2021
Text Version
Publisher
Rights
注があるものを除き、この著作物は日本国著作権法により保護されています。 / This work is protected under Japanese Copyright Law unless otherwise noted.
Citation
鳥取臨床心理研究. 2021, 14, 121-129
Department
Faculty of Medicine/Graduate School of Medical Sciences/University Hospital
Language
Japanese