フルテキストファイル | |
タイトルヨミ | シンリン ノ コウゾウ ト チョウルイ ニヨル シュシ サンプ ノ フキンイツセイ
|
タイトル別表記 | Forest structure and the unevenness of seed dispersal by birds
|
著者 |
田中 悠希
鳥取大学大学院農学研究科森林生態系管理学分野
|
キーワード | FLD
シードトラップ
ソングポスト
鳥散布型種子
繁殖季節
bird dispersal seeds
breeding season
seed trap
song post
|
抄録 | 本研究は, 森林構造と鳥類による種子散布の関係を明らかにすることを目的とする. 季節によって鳥類による種子散布が集中する場所が異なり, 秋においては年によっても異なる分布を示した. これらのことから, 季節や年ごとの結実個体の生育分布の違いが鳥散布種子の集中分布に影響していると考えられる. しかし春においては, 結実個体のない場所でも鳥散布種子数が多くなる場所がみられたため, そのような場所では結実個体とは別の要因が鳥類の行動に影響したと考えられる. 1年を通して確認頻度の高かったヒヨドリが種子散布者として最も貢献していると考えられる. 春に採餌が観察されたヒヨドリはほとんどの個体が亜高木層と高木層で観察された. したがって, 春の鳥類の行動は亜高木層や高木層の密度の違いに影響を受けると考えられる. 草本層から高木層の密度と自然落下種子数を説明変数, 鳥散布種子数を目的変数とし, 重回帰分析を行った結果, 春において高木層の密度が高い場所で鳥散布種子数が多くなる正の相関が認められた. これは, 繁殖期の鳥類がソングポストになり得る高木を好むためだと考えられる. 森林の鳥散布種子の分布に最も影響を与える要因は, どの季節においても結実個体の生育場所の違いであり, 鳥類の繁殖期にあたる春においては, 森林構造の違いが鳥類による種子散布の不均一性に影響を与えることが示唆された.
|
出版者 | 鳥取大学農学部広葉樹開発実験室
|
資料タイプ |
紀要論文
|
ISSN | 0389-5505
|
書誌ID | AN00332176
|
掲載誌名 | 広葉樹研究
|
最新掲載誌名 |
広葉樹研究
|
巻 | 15
|
開始ページ | 1
|
終了ページ | 10
|
発行日 | 2013-03-29
|
著者版フラグ |
出版社版
|
掲載情報 | 広葉樹研究. 2013, 15, 1-10
|
言語 |
日本語
|