@article{oai:repository.lib.tottori-u.ac.jp:00001046, author = {太田, 信夫}, issue = {1}, journal = {鳥取大学教育学部研究報告. 教育科学, The journal of the Faculty of Education. Educational science}, month = {Jun}, note = {本研究では、従来の系列学習の方法である実験者ペースに対し、被験者ペースに焦点を当て、系列学習のメカニズムについて検討をおこなった。被験者ペースは実験者ペースよりも、より日常のわれわれの学習行動に近いストラテジーと考えられる。しかしながら、これについての従来の研究はほとんどない。したがって本実験で取り上げることにした。具体的には、被験者ペースと実験者ペースとの比較、及び被験者ペースでの学習における一般化傾向、そして最後に、個人差の分析をすることが目的とされた。 被験者は、まず被験者ペース群と実験者ペース群の2つに分かれ、次に3種のリスト条件によって配分され、合計6グループに分かれた。3種のリストは、学習の困難なリスト(リストD)、学習の容易なリスト(リストE)、項目間関係に一定の規則性を有するリスト(リストS)である。これらの実験リストの学習後、5分間おいて把持テストが行われた。 仮説としては、被験者ペースと実験者ペースの比較に関して、次のような3つの仮説がたてられた。 (1) どのリストにおいても、実験者ペースより被験者ペースの場合の方が、学習完成までの試行数は少ないであろう。 (2) 把持テストの成績は、実験者ペースより被験者ペースの方がよいだろう。 実験結果は、(1)の仮説については、完全に支持を得たが、(2)については、部分的な支持しか与えられなかった。また、両ストラテジーの系列位置曲線の比較では、被験者ペースの場合は、系列の中央で、通常の系列位置曲線に比べ誤反応%が低いことが、特徴として明らかにされた。 被験者ペースについての様々な分析も行われた、1試行あたりの平均提示時間及び再生時間による系列位置曲線から、やはり逆U字型カーブに近い結果が得られた。また1項目あたりの平均提示時間及び正再生時間は、学習の初期ほど多く、学習が進むにしたがって、次第に減少していく傾向がみられた。このような被験者ペースの一般的傾向を基にして、個人差の分析が行われ、2つの学習のタイプが見いだされた。1つは、精神的テンポが比較的速く、機械的に学習しやすいタイプ、もう1つは、精神的テンポが比較的遅く、試行しながら学習を進めるタイプである。しかしこの個人差の分析は、本実験の段階では、まだ一般化できるものではないことが最後に付言された。}, pages = {203--219}, title = {被験者ペースによる学習と実験者ペースによる学習との比較}, volume = {18}, year = {1976} }